骨喰丸が笑う日 第十七回
骨喰丸が笑う日 第17回 森 雅裕
コヒマから七十キロほど南下し、ミッション手前で街道をはずれ、山の中へ入った。ウクルルまで四十キロ。松の巨木の原生林と鬱蒼とした密林の中に日本軍の工兵隊が苦心惨憺して道路を切り開いたのだが、雨季のためにいたるところがぬかるみと化し、降りて歩いたり、トラックを押したりする場面も増えた。転落しそうな崖もある。実際、谷底には車両の残骸も見えた。
雨があがると、たちまち敵の戦闘機が飛来する。低空を飛んでくると、爆音より先に頭上に現れることがある。突然、山陰から機影が現れ、樹林をかすめた。旋回して戻ってくる前に、八七橋は原生林を踏み分けながら停車した。
「降りて隠れろ!」
分散して、岩陰や木陰に身を縮めた。
敵の戦闘機は必ず二機ペアで飛来する。しばらく上空に爆音を響かせていたが、攻撃してくることもなく、やがて遠ざかっていった。
綿貫少将が吐息をついた。
「へっ。撃ってこなかったな。味方のトラックだと思ったのか」
八七橋は相変わらず表情を動かさない。泰然とも茫洋ともいえる。
「あるいは積み荷を破壊したくなかったのかも。いささか手遅れですが」
「神仏の像がそんな値打物なのか」
「日本兵が値打物を積んだトラックを奪ったと航空隊にも知られているとしたら、英印軍は連絡が密だということです。ここいらでトラックを捨てましょう。道はもはや、ぬかるみというより泥沼だ」
「やれやれ。歩くのか」
「ウクルルまで行けば、兵站もある」
希望的推測だ。すべての部隊が飢えている。ウクルルに集積されていた補給物資は奪い合いになったと考えるべきだろう。しかし、行くしかない。
八七橋はへたり込んでいるイギリス士官に近づいた。手にはトンプソン短機関銃を持っている。
「立て」
周囲の兵たちが気まずく息をのみ、士官の表情がこわばった。
「日本軍は捕虜の首をはねるそうだな。野蛮人め」
「俺たちの誰も軍刀は持ってない。殺す気ならとっくにやってる」
のっそりと立ち上がったイギリス士官に、ここまで来た道を指した。
「行け」
「うしろから撃つ気か」
「行きたくなきゃ、このジャングルで余生を過ごせ。お前の勝手だ」
八七橋はもうこの男にかまわず、部隊の面々に命じて、トラックの荷台から背嚢や綿貫の荷物を下ろさせた。運ぶのは分担したが、
「クソ重い荷物、何が入ってるんだあ」
綿貫の荷物には文句が出た。やむなく、八七橋は負担を軽くするよう指示した。
「機関銃は捨てろ」
インパール作戦の開始時には、日本兵は一人六十キロもの装備を背負って進撃している。しかし、間断ない激戦と劣悪な環境で疲弊した今の彼らにそんな体力は期待できない。
捨てる前の機関銃で、トラックのエンジンを蜂の巣にすると、囚人部隊は唖然とするイギリス士官を置き去りにして、歩き出した。
「おいいっ。ほんとに行くのかっ」
イギリス士官は怒鳴った。
「俺はマーチン・ブルース大尉だ。お前らの指揮官は?」
八七橋はちらりと振り返って、怒鳴り返した。
「ヤナハシだ。ヨウタ・ヤナハシ中尉」
ブルースは敬礼した。八七橋はニヤリと笑ったが、手を振っただけだった。
綿貫少将が鼻で笑った。
「スパイ中尉の面目躍如だな。あいつを逃がすのか」
「捕虜なんか連れ歩いても足手まといなだけです。食わせる飯もない」
「殺せば万事解決だろ。我々のことを英印軍に報告されるぞ」
ジャングルの彼方で砲撃の音が聞こえる。壊滅状態の日本軍を英印軍が追走しており、ウクルル方面の撤退路は戦闘地域なのである。
「報告されたところで、状況は変わらんでしょう。それに、あいつが味方に拾われる頃には、俺たちはずっと先を行ってる」
七月三日のインパール作戦中止命令から半月が経っている。泥の中に日本兵の死体を見つけることが多くなった。撤退途中、力尽きたのである。水汲みに谷間へ下りると、上流に腐乱死体が折り重なっていることもある。
そうした衛生的とはいえない水で、道すがら発見した筍を灰汁で煮る。灰と水を二回取り替え、最後に水だけで煮る。こうしてアク抜きしなければ、この地域の筍は苦くて食えない。
火を使うのは夜に限られる。英印軍は夜襲専門の日本軍と違い、肉弾戦などやる気はない。明るい時間、機動力にモノをいわせて押し出してくるのである。
明け方、雨があがった。敵の戦闘機がパトロールに飛ぶ。兵たちが消火のために焚き火を崩し始めると、
「めんどくせぇ」
と、綿貫が布バケツに溜めてあった雨水を焚火の上へぶちまけた。「やめろ」という暇もない。たちまち白煙が立ちこめ、あたりを覆った。ノロシをあげたようなものだ。
「早くここを離れるぞ」
天幕を畳み、荷物を持った。もたつく綿貫の背中を蹴るように押した。
「馬鹿ですか、閣下は」
火を消すには、燃える薪を振り回しながら走って煙を散らすのが鉄則だ。故郷の家族には見せられない滑稽な姿である。
いくらも避難しないうちに、頭上を爆音が襲った。戦闘機が現れ、爆弾を投下し、彼らが野営していたあたりで炸裂音が轟いた。樹林の間を爆風が抜け、崖の窪地に身を隠すと、今度はあたり一面に機銃掃射の雨が降り注いだ。
地上を蹂躙した戦闘機が飛び去り、八七橋は泥まみれで窪地から這い出した。
「大丈夫かあ」
周囲に声をかけると、何人かが悪態つきながら物陰から現れたが、
「畜生。やられた」
ハカセが悶えている。左足が血まみれだ。爆弾の直撃は免れたが、破片が食い込んでいる。アーシャが素早く彼の軍袴(ズボン)と袴下を引き裂こうとする。
「やめてくれ。服は貴重だ。自分で脱ぐ」
この男は致命傷ではないが、三十メートルほど離れた場所には緊迫感が漂っていた。
「手柄山さんが」
副官の手柄山中尉が荷物に覆い被さるような形で倒れている。綿貫のトランクを岩陰に隠そうとしていたのだろう。荷物は無事だが、彼は腰のあたりを吹き飛ばされ、虫の息だった。
「手帳……」
そう呻いている。八七橋がポケットから軍隊手帳を取り出し、開くと、押し花がはさんである。六枚花弁のアラカン桜である。
「子供に……」
「子供に届けろと? あんた、子供がいるのか」
手柄山は口から言葉のかわりに血を吐き、身を震わせながら事切れた。
伸びていた髪を少しだけ切り、右手の小指を切断して、手柄山の服の切れ端に包み、八七橋は自分のポケットに入れた。
「そんなもの、生きて持ち帰ることができるのかな。ふん。トランクが血だらけだ。よく拭いとけよ」
綿貫は平然と部下の死体を見下ろしている。八七橋は死体を埋めるように兵たちに指示し、綿貫を横目で睨んだ。
「手柄山さんは閣下の荷物を守ろうとして死んだんです。少しは感謝したらどうです?」
「ふん。それがこいつの任務だ。行くぞ。ここはあぶない。お前ら、さっさと荷物を持て。ケガ人なんか放っておけ。足手まといだ」
そうはいかない。
「カノン。ハカセを背負ってやれ。ここを離れたら、担架を作ろう」
すまない、と何度も繰り返すハカセの声を聞きながら、出発した。
綿貫のトランクをかついでいる五右衛門が、
「あーあ。手柄山さん、影の薄い男だったが、これじゃ浮かばれねぇぜ」
と、八七橋の傍らで吐き捨てた。
「この中身、何なんですかね。八七橋さんは中野学校で開錠を教わったんでしょうが」
「お前こそ、師団随一の大泥棒だ。大抵の鍵なら開けられるのが自慢だろ」
「へへっ」
「そのトランク、勝手に開けるんじゃないぞ。いいな。わかってるな」
語気を強めて念押しした。
「へーい。よくわかりました」
その夜は各自が少しでも雨をしのげる場所を求めて野営した。翌日の早朝、八七橋は五右衛門に揺り起こされた。足音を殺して荷物の置き場所へ行くと、トランクの鍵が開いている。
「中身、驚きますぜ。とんだお宝だ」
見ると、梱包されているのは書類の束と日誌、それに黒ずんだ石塊が数個である。
「石だな。どう見ても石だ」
「綿貫の野郎、石ころなんか運ばせやがって……。ぶちのめしてやる」
「まあ、待て。副官の手柄山中尉が命にかえて守った石だ。何か意味がある」
八七橋は書類と日誌をパラパラとめくった。仔細に及ぶ地図が何枚か添えられている。綿貫はインド北部で何やら発掘していたようだ。
「折を見て、俺が綿貫に訊く。お前はこのことを他の連中にはいうな。石なんか運んでいると知れたら、士気にかかわる。トランクをもとに戻しておけ」
溜め息が五右衛門の返事だった。
ウクルルへ向かう途中、日本兵の死屍累々たる光景に出くわすことが増えた。戦死ではなく、ほとんどが餓死、病死、そして自決だった。
猛烈な銀バエの大群の中には、まだ息のある兵も横たわっている。
「しっかりしろ。食い物をやろう」
そう声をかけると、彼らは決まって、
「食い物はいりません。手榴弾をください」
自決を望み、そういうのである。
彼らを救う手立てはない。チャーチル給与の粉ミルクやチョコレートのカケラを与え、八七橋たちは立ち去るしかなかった。
「畜生。こんな戦争があるか」
囚徒兵たちは嘆いた。最前線の兵には英印軍よりも日本軍上層部への憎悪の方が強く、「俺たちは英印軍に負けたんじゃない。第十五軍(日本陸軍のビルマ方面軍)に負けたんだ」と憤る声さえあった。
宮崎繁三郎少将は、日本軍の撤退はかくも見事であったと示すべく、死体を埋めさせ、動けぬ者は担架に乗せて運び、「このためにわが部隊が全滅してもかまわん」と人間の尊厳を訴えたが、その数は宮崎支隊の手に負えぬほど膨大であり、宮崎支隊とは別ルートでジャングルをさまよった部隊もあるから、放置死体は増える一方であった。
インパール作戦で死亡または行方不明となった日本兵は約三万。死体という死体がウジに覆い尽くされた。陰惨な戦場を体験し、神経のタガがはずれた者でなければ、この白骨街道の光景に耐え、歩くことはできない。
だが、目をそらし、視覚は慣れても、嗅覚はなかなかそうもいかない。嘔吐しそうだったが、飢えた胃にはそんな元気もない。ジャングルには熊や虎もいたはずだが、まったく見かけない。日本兵の死臭と排泄物のために野生動物さえも逃げ出したのである。
追走する英印軍にとっても、折り重なる腐乱死体は厄介な障害物だった。感染症を恐れ、ガソリンをかけて焼却し、ブルドーザーで土砂もろとも崖下へ落とした。
その様子を囚人部隊の面々は高台から目撃した。
「ひでぇことしやがる」
「奴らはアジア人なんて猿の一種としか思ってない」
英印軍は自分たちの進路にDDTを撒布し、消毒する慎重さであった。
七月末、囚人部隊はウクルルへ到達した。インパールの北東六十キロ、歩けばその倍はある台地で、ウクルルはインパール、コヒマに続くアラカン山系第三の街だったが、空襲で破壊され尽くし、かつての面影はない。
街の中心部は英印軍が優勢で、日本軍は郊外の荒廃した集落やジャングルの中に野営である。どこにどの部隊がいるのかもわからない。
八七橋たちは砲撃や空襲の破壊音を聞きながら、野戦病院の位置を尋ね歩き、負傷したハカセを運び込んだ。
野戦病院とはいっても、本来の施設はすでに閉鎖され、これもジャングルの中の野営陣地である。バナナの枝や葉で屋根を葺いた小屋は高級な部類で、天幕すら張らず、野ざらしで横たわっている患者も多い。戦場の狂気が腐肉の悪臭となって漂っていた。
患者の中には列兵団の顔見知りも何人か見かけた。烈の主力はすでにひと月前にウクルルを通過し、南のフミネへ向かっている。フミネは第十五軍の補給地である。フミネまで図上距離は六十キロだが、山道であるから、その倍以上を歩くことになる。歩けぬ者は置き去りである。
患者がウジまみれなので、取ってやろうとすると、
「取らないでください。膿をウジが食ってくれるので、少し楽になるんです」
まったく生気のない表情で、いった。ハカセもいずれこうなるだろう。ウクルルまで運ぶ途中、アーシャがドクダミ草と里芋に似た葉を焼き、軟膏を作って応急の手当てはしたのだが、負傷した左足は大きく腫れ上がり、腐り始めているのである。もはや、彼を囚人部隊に同行させることもできない。
「患者は車と馬で後方へ移動させる」
そんな機動力があるのか疑わしいが、軍医にそういわれたら、身柄を預けるしかない。
ハカセは手当を受けながら恐縮した。
「八七橋さん。すみません。お役に立てず」
「命があるだけよかったさ。どんなことをしても生きろ。また会おう」
八七橋はそういって別れた。七月初め、機能を停止したウクルル野戦病院は身動きできない患者およそ千名をすでに「処分」していた。だが、八七橋はそんなことは知らない。
この野戦病院で、兵站の置かれている場所も聞いた。補給を受けねばならない。
軍医は吐息とともに首を振った。
「行っても無駄だぞ。もう何もない」
インパールを北側から攻撃した祭兵団がウクルルの物資を洗いざらい持ち去ったため、あてがはずれた烈兵団は食料を求めてフミネへと後退した。佐藤師団長はすでに解任されて七月末にはラングーンにあり、本来なら後任となるべき宮崎少将率いる宮崎支隊は全滅と報じられたが、整然と撤退してウクルルに現れ、烈兵団主力より二十日ほど遅れて、これまたフミネへ向かっている。
八七橋は相笠曹長を伴い、一縷の望みをかけて兵站へ出向いた。家畜小屋のような建物がいくつか並び、斜面には穴蔵が掘られて、「兵站出張所」の看板がかかっている。人の気配を求めて、穴蔵の奥に声をかけた。しばらく待つと、軍服をだらしなく着崩した伍長が姿を見せた。
「何か用か」
「食料を受領したい」
「寝ぼけてるのか」
「ここは兵站だろう」
「ウクルル兵站は六月十日をもって、業務停止している。ここは輜重部隊の野営地に過ぎん。帰れ帰れ」
迷惑そうに背を向けた。たかだか伍長が中尉に向かってこの口のきき方である。敗軍には規律さえも失われていた。
相笠が殺気立って、踏み出そうとする。それを八七橋は制止し、
「おい」
伍長を呼び止めた。振り返ると同時に、頬へ鉄拳を見舞った。転んだ伍長は、
「何しやがる」
起き上がって、八七橋へつかみかかろうとしたが、今度は股間を蹴り上げられて悶絶し、ようやく謝罪した。
「くそ……。あ、いえ。すみません。失礼しました」
「上官侮辱罪だ。このあたりにお前を放り込む営倉なんぞなさそうだから、これで勘弁してやる。文句あるならお前の上官を連れて来るがいい。俺は光機関の八七橋中尉だ」
「烈の五十八連隊、相笠曹長だ。俺たちは野戦病院の北の集落にいる」
二人は名乗り、引き上げた。途中、何度も振り返った。逆上した馬鹿者が追ってくるかも知れない。
ウクルル周辺では昼は火を焚くのは禁止で、息をひそめているしかない。囚人部隊は半壊した廃墟を野営場所に決めた。日が暮れて、焚き火で濡れた服を乾かしながら、その火で籾ごと米を煎り、粥を作った。そこへ、
「光機関のヤナハシはいるかっ」
士官が乗り込んできた。
「俺だ」
八七橋は粥をすすりながら、男を見返った。大尉の階級章をつけ、あまつさえ軍刀も腰に吊っている。敗残の撤退部隊にはまず見かけない身なりの良さだ。
「俺は輜重の釣谷だ。貴様、うちの者を殴ってくれたそうだな」
「礼には及ばん」
「な、何をっ……」
軍刀の柄に手をかけた。同時に八七橋の周囲の兵たちが一斉に銃を構えた。釣谷は気圧されながらもさらに逆上した。
「き、貴様ら、大尉の俺に銃を向けるのかっ」
「ほお。輜重には上下の礼儀はないのかと思ったが」
と、相笠がうつぶせになった綿貫の腰をほぐしながら、いった。手で揉むのではなく、綿貫の要望で上に乗り、足裏で踏みつけている。
綿貫はうめきながら、釣谷大尉に説教口調で、いった。
「あのな。こいつらは烈兵団のゴロツキ部隊だ。喧嘩するだけ損だぞ」
「なんだ、ジジイ、貴様は」
綿貫は軍服ではなく階級章もつけておらず、その服も乾かしている途中なので、裸である。風格に乏しいから、将官には見えない。ジジイ呼ばわりされて、さらに凶悪な表情となった。
「八七橋。こいつ、ぶち殺してかまわん。俺が許す。輜重司令には俺が話をつけてやる」
それを聞いて、五右衛門が下卑た笑いを見せた。
「へへ。八七橋さん。果たし合いなら、そのへんから軍刀借りてきますぜ」
この手癖の悪い男はイソイソと小屋から出た。
釣谷は気勢をそがれ、居心地悪そうに視線を泳がせていたが、囚徒兵たちはこの闖入者を無視して、近くの者とそれぞれの世間話に戻っている。八七橋もアーシャと言葉を交わした。
彼女も下着姿だが、泥と垢にまみれており、シラミ取りに精を出しているから、食うや食わずの兵の目には色気どころではない。
「八七橋さんはマンダレーまで歩く行程は一か月といってましたが……」
「嘘だよ。その倍はかかりそうだなんていったら、閣下が腰を上げそうになかったんでね」
「やはり、私が足手まといになりましたね」
「なんの。そのうち、もっと足手まといなケガ人や病人が出る。ハカセが離脱した今、あんたは貴重戦力だ」
「私が歩けなくなったら、かまわずに置いていってください」
「俺がそうなるかも知れないがね」
釣谷が耐えきれずに叫んだ。
「何なんだ、この部隊は。慰安婦連れでデレデレダラダラと撤退か」
アーシャは携行しているモーゼル拳銃をストックから引き抜き、釣谷へ向けた。「慰安婦」という日本語はわかったようだ。
「よせ」
その腕を八七橋が跳ね上げると同時に、どん、と銃声が響いて、弾丸が壁を砕いた。
釣谷は何が起こったのか理解できず、首を細かく左右に振りながら立ちすくんでいる。